お知らせ

三保松原は2022年で名勝指定100周年を迎えます!

大正8年(1919)、記念物の保存管理を目的に「史蹟名勝天然紀念物法」が施行され、大正11年(1922)3月8日、内務省告示第49号により三保松原は初めて国の「名勝(めいしょう)」に指定されました。
同告示より名勝に指定されたのは全部で11件(史跡との重複含む)ありますが、海浜景観の指定は天橋立(京都府宮津市)と三保松原の二つが第1号となります。
【名勝とは?】
「名勝」は、法律で定義される以前から広く使われていた言葉です。「名所(めいしょ)」が古くから歌枕に詠われた自然的な景勝地であるのに対し、名勝は名所のみならず、由緒、来歴のある霊場や旧跡、林泉(庭園)を含め、それらが表す優れた景勝地の総称でした。
文化財保護法では、名勝は「庭園、橋梁、渓谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は鑑賞上の価値の高いもの」のうち、重要なものとされています。
名勝は、芸術性・鑑賞性の高い、優れた国土美を表現する文化財(記念物)です。その中には、主に優れた風致景観である「自然的なもの」と、庭園や橋といった人の技術により造られた「人文的なもの」の二つが含まれています。
名勝の指定に何を対象にするかは、「指定基準」に11の類型が示されています。三保松原はこのうち「3」、「8」により指定されています。
1 公園、庭園
2 橋梁、築堤
3 花樹、花草、紅葉、緑樹などの叢生する場所
4 鳥獣、魚虫などの棲息する場所
5 岩石、洞穴
6 峡谷、瀑布、渓流、深淵
7 湖沼、湿原、浮島、湧泉
8 砂丘、砂嘴、海浜、島嶼
9 火山、温泉
10 山岳、丘陵、高原、平原、河川
11 展望地点
【名勝になると何か変わるの?】
文化財保護法による「名勝」に指定する目的は、今日まで守り伝えられてきた国民の財産として保存・活用していくことです。名勝に指定されると、法律で守られることになります。名勝の現状(現在の状態)を変更したり、その保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならないとされています。(文化財保護法第125条)
名勝三保松原の規制地区内で、建物の建て替えや、看板の設置、マツの枝の伐採などを行う場合、現在の景観を変えることになるため、許可の申請が必要になります。

★ 名勝指定100周年を記念して、PRポスターを作成しました★
三保松原が誇る「白砂青松と富士山」の美しい景観写真を使用したPRポスターを作成しました。
写真は、静岡市在住の富士山写真家・橋向真氏に、ポスター用に撮影していただきました。
このポスターは、今後市内の観光施設等に配布予定です。
【富士山と笠雲について】
富士山は、古代中国の影響により仙人が住むと考えられていました。平安時代前期の漢詩人である都良香(みやこのよしか)が著した『富士山記』では、白衣(びゃくえ)の天女が富士山頂で舞う姿が記されています。これは、笠雲や吊るし雲がかかる様子を見立てたものと考えられています。