お知らせ

高田松原からご寄贈いただいたマツの無断伐採について

令和4年3月12日の午後3時~13日の午前8時30分の間に、清水三保海浜公園内に植栽されていたクロマツ(樹齢約10年、樹高約2m、基部直径8cm)1本が、何者かにより無断で伐採されました。
このマツは、平成30年2月24日に、「第12回白砂青松再生の会・静岡市三保松原大会(松原フォーラム)」において、NPO高田松原を守る会から寄贈を受けて、大会参加者で記念植樹したものでした。
本件については、清水警察署に被害届を提出しました。

【寄贈松の植樹の経緯】
静岡市での松原フォーラムの開催にあたり、NPO高田松原を守る会(岩手県陸前高田市)から、「東日本大震災前に高田松原で採取した種から育てた苗を、震災の教訓として、また、陸前高田市と静岡市の友好の証として、三保に植樹できないか」との打診を受けました。
これを受け、暮らしを守る松原に感謝し、後世に引き継いでいく決意を新たにする契機として、清水三保海浜公園で植樹を行いました。

【無断伐採の禁止、植栽のルールについて】
①寄贈松が植栽されていた場所は、市が管理する「清水三保海浜公園」内であり、管理者である市以外の者が施設(植栽木含む)の現状を無断で変更することはできません。
②清水三保海浜公園は、世界文化遺産富士山の構成資産三保松原のバッファーゾーン及び名勝三保松原特別規制B地区内にあり、文化財保護法及び名勝三保松原保存管理計画により、マツ生立木の伐採は原則禁止されています。なお、マツの無い場所にマツを植える際にも、許可が必要です。
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③清水三保海浜公園は、日本平・三保松原県立自然公園第一種特別地域内にあり、静岡県県立自然公園条例により、許可なく木竹を伐採することは原則禁止されています。
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④清水三保海浜公園は、三保久能海岸風致地区内にあり、静岡市風致地区条例により、許可なく木竹を伐採することは原則禁止されています。
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⑤三保松原の大半は、森林病害虫等防除法に基づく松くい虫対策事業により、高度公益機能森林、地区保全森林となっており、マツ材線虫病被害を受けた後の補植には、マツノザイセンチュウに抵抗性を持つマツや地元産のマツ等、植樹できる苗に制限があります。清水三保海浜公園は、この事業の対象エリアに入っていないため、高田松原からの寄贈苗を植樹することができました。
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【松原の管理】
世界遺産三保松原巡視員による巡視を継続します。

【代替マツの育成】
現在、専門機関の協力を得て、伐採されたマツの穂から挿し木によるクローン苗作りに取り組んでいます。
また、NPO高田松原を守る会においても、代替の実生苗の育成が開始されています。
苗が地植えできる状態に育ちましたら、同じ場所に再度植栽する予定です。

【地域の皆様、観光のお客様へのお願い】
松の異常を見つけた際の通報などへの御協力をお願いいたします。松の異常通報には、スマホアプリ「三保まつしらべ」をご活用ください。
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三保松原は、富士山と織りなす美しい景観により、世界文化遺産および国指定名勝として知られていますが、海風や飛砂、潮害から地域の生活や産業を守る防災林でもあります。私たちに様々な恩恵をもたらしてくれる松に対し、感謝の気持ちを持って親しんでいただければと思います。そして、松原保全活動への御参加も、ぜひお願いいたします。
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