三保の松は何歳なの?
2019年02月28日
樹木が成長するにつれて幹が太くなるのは、幹のなかの形成層という部分から新しい細胞が生まれ、その細胞一つひとつが生長し細胞壁を作ることによる。形成層で生まれる細胞のかたちは季節によって変化し、冬の間は新たな細胞が生まれない。その繰り返しにより、縞模様の年輪ができる。樹木の年齢(樹齢)は、根元部分の年輪を数えることによって確認できる。環境によって幹が太くなるペースが異なるため、見かけだけで樹齢を判断することはできない。
2015年に神の道で伐採した龍の松は、根元部分にほとんど腐朽が入っていなかったため、年輪をほぼ完全に解析することができた。解析部分(地上約50cm)の257年輪の、年ごとの年輪幅の変動や酸素同位体比から、三保松原の環境の変化を明らかにする取り組みが行われている。
また、この龍の松の伐採時の樹齢が257年であったことから、神の道や羽衣の松周辺の老齢の松の樹齢はおおむね250年から300年と考えられている。
みほしるべ2階 神の道龍の松解説パネル0527