三保松原の保全

松はなぜ枯れるの?

2019年02月28日

マツが枯れるとき、塩害などの化学的なもの、踏圧などの物理的なもの、また、カビやキノコ、昆虫などの侵入や食害によるものなど、多種多様な原因がある。そんな中、サクラ枯れ、スギ枯れなどの言葉は無いのに「マツ枯れ」という言葉があるのは、「マツ材線虫病」という非常に感染力が強く致死率の高いマツ属の病気があり、戦後の日本で大量のマツが枯れたからだ。マツ材線虫病は、マツノザイセンチュウという長さ1ミリほどの外来線虫が、カミキリムシの一種であるマツノマダラカミキリに媒介されて、マツの中に入ることによっておこる病気である。しかし、それが判明するまでの長い間、枯れ松に群がりマツを食べる甲虫類が病気の原因と考えられていて、「松くい虫」によりマツが枯れると言われていた。「松くい虫被害」は法律の名前にも使われ浸透した。松くい虫が病気の原因ではないと判明した現在も、マツ材線虫病による被害を松くい虫被害と表現することがある。

みほしるべ2階 マツ材線虫病対策解説パネル

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