日本画Japanese Paintings
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日本画東海道図屏風
江戸時代前期に、江戸から京都までの各宿場の街並みを描いたもので、狩野派の絵師の作品と推定されている。駿府城をはじめ、蒲原から宇津ノ谷峠までの二峠六宿のそれぞれの活気に満ちた街並みや、三保松原など、名所旧跡の江戸時代の姿が描かれている。
所蔵 / 静岡市
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日本画羽衣
左隻の富士山と天女、右隻の松の取り合わせで、三保松原を舞台にした羽衣伝説を表す。優雅な天女の描写には、仏画を中心とした古典絵画の研究成果が生かされており、砂子や切箔など様々な装飾を散らして豪華に仕上げた金地に、あざやかな色彩が映える。伝統的な主題を、堅実な古典研究と近代的な感覚で表した優品。
所蔵 / 静岡県立美術館
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「富士三保松原図」の画題を一隻で構成したものと思われるが、特徴的なのは、街道を行き交う旅人や宿場の様子、あるいは舟遊びなどの風俗表現が用いられている点である。宿駅制度制定前の東海道の様子が伺える資料として貴重であり、名所絵と風俗図が融合した作品。
所蔵 / 奈良県立美術館
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日本画富士三保松原図屏風
右隻に駿河湾越しの大きな富士山を望み、左隻には清見関や清見寺、江尻宿などが描かれる。左右隻をつなぐように三保松原が描かれ、先端にひときわ大きく表されるのが羽衣の松であろう。丸みをおびた富士山頂や金雲のわき立つようなリズムが、のびやかな印象を与える。山あいでは桜が満開。春らしいおおらかな画趣が魅力である。
所蔵 / 静岡県立美術館
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日本画富士三保清見寺図
永青文庫所蔵の伝雪舟筆「富士三保清見寺図」の数ある模本のうちの一幅である。作者の杉谷行直は熊本藩のお抱え絵師で、細川家に伝来した永青文庫本とは近い距離にあった。模本の中でも制作経緯が明らかになっており、貴重な作例である。
所蔵 / 清見寺
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日本画望嶽図
平井顕斎(1802~1856)は、榛原の豪農の家に生まれた静岡ゆかりの絵師。本作は、賛も含めて伝雪舟《富士三保清見寺図》(永青文庫蔵)を模写したもの。富士山図の名品として知られた伝雪舟画は、江戸期を通じて多くの絵師により写しが作られている。くり返し模写され、規範化されることで、後代に絶大な影響を与えた。
所蔵 / 静岡県立美術館
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日本画羽衣図
右下に霊峰富士を望み、天女が羽衣を纏い空に舞い上がっている様子が描かれている。鳥の頭部は描かれていないため、天女の身体の一部とも考えられる。羽衣をなびかせ天に帰る天女は、仙女でもなく今まで描かれていた天女と異なる姿をしている。
所蔵 / 東京国立博物館所蔵
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日本画富士三保松原図
狩野永岳(1790~1867)は、京都を主な活躍の場とした京狩野家の第九代。群青と緑青を中心とした賦彩は古典的なやまと絵にならうもので、同時代の復古的思潮に掉さすスタイル。その中に、旭日の鮮明な赤が際立つ。不老不死の仙人が住むという蓬莱山のイメージも重ねられているのだろう
所蔵 / 静岡県立美術館