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勝軍木庵光英の得意とする高蒔絵によって、小さな印籠の器面全体に細密な文様が施されている。表面には頂きに銀蒔絵を施した富士山が表され、裏面には左側に塔の建つ清見寺が、その右下には羽衣伝説のある三保松原が描かれる。駿河湾から臨むこの景色は、東海道沿いの名勝の一つとしてしばしば取り上げられるモティーフである。
所蔵 / 島根県立美術館
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大正時代に作られた振袖である。日本の着物には風景文様と呼ばれる名所や風景を小袖や振袖に施されたものが多くみられる。この作品は前身頃に松原が描かれ、広い海原を連想させるような鮮やかな青色が三保松原と富士山を引き立てている。
所蔵 / 東京国立博物館
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工芸銹絵富士山図茶壺
野々村仁清は丹波国(京都府)出身の江戸時代前期の陶工である。仁清はろくろの名手であり、「京焼の祖」とも言われている。公家や大名に重用され、と問えられた形に雄大な景色を描いている。富士山と松と海原がのみが描かれているが、昔の人々はそれだけで三保松原を連想できる。
所蔵 / 根津美術館
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松原と塩焼きの煙立ち上る浜、そのはるか向こうにそびえる富士山。名勝・三保の松原の風景を金糸を交えた刺繍で表した華麗な打掛である。富士山に飛来する鶴の姿がめでたい印象を醸し出し、単なる風景にとどまらない意匠になっている。婚礼などの特別な席で着用されたものか。
所蔵 / 奈良県立美術館